2018.08.22
不動産オーナー型資産家の相続対策-1
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生前相続対策
資産家の属性別財産の承継
①納税資金の確保と遺産分割
不動産を多数お持ちの不動産オーナーの相続対策としては、納税資金の確保と遺産分割方法の両面を重要相続対策として検討する必要があります。
不動産の特徴として、換金が困難であることと、分割を行いにくいことが挙げられるためです。
②不動産の色付け
所有不動産は自宅や賃貸不動産、遊休不動産等多岐にわたります。
これらのうち、どの不動産がオーナー様の財産形成に資する不動産であるか財産の価値を測る必要もあります。
特に収益物件は各物件の収益性を慎重に見極める必要があります。
下記で示す通り、物件の内容次第では物納も視野に入れる必要がありますし、売却する見込みがある場合は相続税の納付をした後に売却した方が譲渡所得の計算が有利になりますので、そのタイミングを検討する必要もあります。
これらの財産の棚卸を行った上で、小規模宅地等の特例を適用できる不動産も複数あると想定されますので、現状の利用状況、及び想定される遺産分割で最適な小規模宅地等の特例が適用できているかチェックする必要もあります。
例えば、郊外の不動産を多数所有している場合は、小規模宅地等の特例の適用上、1㎡当たりの適用価額が少なくなるケースが多いので、一部を譲渡所得の買換特例を適用しつつ都心の物件に買換を行うことで、小規模宅地等の特例で適用できる1㎡当たりの適用価額を大きくする等の工夫が必要になります。
これらの生前の不動産の組替により、相続税負担を相当緩和することも可能です。