2020.07.21

相続時精算課税制度の注意点

category

贈与税

相続時精算課税制度

写真

相続時精算課税制度を適用する際の注意点としては、以下の5点が挙げられます。
①贈与財産の相続税評価額の下落又は贈与財産の滅失
贈与者が死亡して相続税を計算する場合、相続時精算課税制度を適用して取得した贈与財産は、贈与時の価額で相続財産に算入されます。

従って、贈与時から相続時までに贈与財産の価額が下落した場合、評価額が下落する前の贈与時の価額で相続税を計算しますし、贈与財産が何らかの理由で滅失したり、価値がゼロとなった場合でも贈与税の価額で相続税を計算しますので注意が必要です。
②小規模宅地等の特例の不適用
贈与により不動産を取得し、相続時精算課税制度を選択した場合、相続時精算課税制度を選択したその宅地には贈与者死亡時の相続税の計算では小規模宅地の特例が適用できませんので、注意が必要です。
③贈与者よりも受贈者が先に死亡した場合
相続時精算課税制度に係る贈与者の死亡前に相続時精算課税制度適用者が死亡した場合、相続時精算課税制度適用者の相続人は、相続時精算課税制度適用者が有していた相続時精算課税制度適用に係る納税に関する権利又は義務を承継します。ただし、その相続人が相続時精算課税制度に係る贈与者である場合は、その贈与者は除きます。
従って、相続時精算課税制度に係る贈与者よりも相続時精算課税制度適用者が先に死亡した場合、相続時精算課税制度適用者が死亡したことで、死亡時に相続時精算課税制度適用財産が残っていた場合、死亡時の相続税評価額で相続時精算課税制度適用財産を受贈者の相続人が相続し、次に相続時精算課税制度に係る贈与者が死亡した場合、相続時精算課税制度適用者の相続人が相続時精算課税制度を選択した年の相続税評価額で相続したものとされます。
もし相続時精算課税制度を適用していなかった場合、贈与者から受贈者の代襲相続人に一度の相続移転で財産を移転できることになりますので、相続時精算課税制度適用者が贈与者よりも先に死亡した場合、二重課税の余地がありますので、非常に憂慮すべき事態になります。
④暦年課税制度の贈与税申告不可
一度相続時精算課税制度を適用すると、相続時精算課税制度適用に係る贈与者から相続時精算課税制度適用者への贈与はすべて相続時精算課税制度適用財産となり相続財産に算入され、二度と暦年課税制度の贈与税申告は適用できなくなり、暦年贈与による相続税対策ができなくなりますので注意が必要です。
⑤物納の不適用
相続時精算課税制度を選択した受贈財産は相続税の課税価格に算入されますが、物納財産として選択することはできません。

閉じる
無料相談・見積り依頼 MAIL FORM無料相談
トライアングル

無料相談のお申込み
その他相談・見積り依頼等
随時お受けしております

相続を始めとした財産の承継に関する
お悩みごとやご相談、
どんな小さなことでもかまいません。
メールフォームよりお気軽にご連絡ください。