2019.05.27

平成29年分の相続税の申告状況(福岡国税局発表資料)

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相続税

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毎年12月にその年の前年の相続税の申告状況や相続税の税務調査の状況に関する報道発表がHPで公開されますが、今回は相続税の申告状況をまとめてみました。

 

①被相続人の数と課税対象割合について

被相続人の数は平成29年が80,019人で、このうち相続税の課税対象となった被相続人の数は4,011人、割合は5.0%となっています。

被相続人の数と課税対象となる割合の推移は以下の通りです。

平成26年 76,100人(2.4%)

平成27年 76,800人(4.6%)

平成28年 77,800人(4.7%)

平成29年 80,000人(5.0%)

平成26年から平成27年にかけて課税割合が2.4%から4.6%へ急増していますが、これは相続税の基礎控除の引き下げが要因となっています。

注目すべき点は、平成21年の被相続人数は69,200人だったものが、平成29年には80,000人にまで増加している点です。

被相続人数は今後も年々増え続け2040年まで増え続けることが推計されています(出展:内閣府高齢社会白書)ので、それに伴い相続税の課税対象となる被相続人の数も増え続けることが予想されます。

 

②課税価格について

平成29年の被相続人一人当たりの課税価格は127百万円となっています(平成28年は133百万円)。

数多くの相続税の申告をさせていただいている弊社の実感としては、想像以上に高額である実感です。

弊社で申告させていただいている被相続人の課税価格のボリュームゾーンは70百万円から100百万円の印象です。

統計上は被相続人一人当たりの平均課税価格は127百万円となっていますので、少ない富裕層が相続税の課税価格の平均を押し上げていると考えられます。

③相続財産の構成比率

各資産毎の相続財産の構成比率を見ると、現預金が33.4%、土地が29.7%、有価証券が15.9%となっています。

現預金の比率が高くなっていますが、平成20年は22.1%、平成26年は28.8%、平成27年は32.5%と上昇し続け、以後約33%で推移しています。

平成27年から相続税の基礎控除が引き下げられましたが、基礎控除の引き下げにより相続税の課税対象となった被相続人が保有する現預金が比率を上昇させたと推定されます。

また、土地の価格が下落し続けたことも現預金の構成比率が上昇している原因とも考えられます。

 

相続税や贈与税の福岡国税局管内の税務調査状況も公表されていますので、別の機会で記事にいたします。

 

 

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