2020.09.27

住宅取得資金に係る贈与税の非課税制度

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贈与税

贈与税の各種特例

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①制度の趣旨
・高額になる住宅取得の負担を緩和すること
・高齢者の有する資産を早い段階で若年層に移転させること
等の理由から住宅取得や大規模リフォーム用の資金を一定の要件を満たす者が贈与により取得した場合には、一定額まで贈与税が非課税となります。
②非課税限度額
平成27年1月1日から令和3年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合において、受贈者の要件、家屋の要件等を満たすときは、次の金額まで贈与税が非課税となります。
(1)住宅用家屋の取得等に係る対価の額に含まれる消費税率が10%である場合


(2)(1)以外の場合


1.省エネ等住宅
省エネ等住宅とは、断熱等性能等級4若しくは一次エネルギー消費量等級4以上であること、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上若しくは免震建築物であること又は高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること)に適合する住宅用の家屋であることにつき、
イ住宅性能証明書
ロ建設住宅性能評価書の写し
ハ長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し及び住宅用家屋証明書又は認定長期優良住宅建築証明書
ニ低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し及び住宅用家屋証明書又は認定低炭素住宅建築証明書
等を贈与税の申告書に添付することで証明されます。
2.住宅取得資金の贈与と住宅用家屋の取得等に係る契約
この非課税特例の適用を受けるには、令和3年12月31日までに贈与により住宅取得資金を取得するだけでなく、同日までに住宅用家屋の取得等に係る契約の締結まで行う必要があります。
3.消費税率に関する留意点
個人間売買で住宅用家屋を取得した場合、その取得には消費税が課されていませんので、非課税限度額が少ない特例が適用されます。
③暦年課税と相続時精算課税制度の選択適用

住宅取得資金に係る贈与税の非課税制度は贈与税の非課税制度ですので、贈与税の申告時には当非課税制度を適用した上で暦年課税により贈与税を計算するか、相続時精算課税制度を適用して申告するか選択できます。
④受贈者の要件
(1)贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること。
直系であれば、祖父母でも可能です。配偶者の親、祖父母は直系に当たりませんので該当しません(贈与時までに配偶者の親と養子縁組をしていれば対象になります)。
(2)贈与を受けた時に日本国内に住所を有すること。ただし、贈与を受けた時に日本国内に住所を有しない場合でも一定の要件を満たせば対象になります。
(3)贈与を受けた年の1月1日現在において20歳以上であること。
(4)贈与を受けた年の所得税の合計所得金額が20,000千円以下であること。
⑤住宅取得資金
住宅取得資金とは、贈与を受けた者が自己の居住用の家屋の新築若しくは取得又は自己の居住している家屋の増改築の対価に充てるための金銭をいい、次に掲げる土地の取得の対価に充てる金銭も含まれます。
(1)その家屋の新築若しくは取得又は増改築とともにするその家屋の敷地の用に供される土地や借地権などの取得
(2)住宅用の家屋の新築に先行してするその敷地の用に供される土地や借地権などの取得
(注)贈与を受けた者の一定の親族等、受贈者と特別の関係がある者から新築若しくは増改築等をする場合はこの特例は受けられません。
⑥居住用家屋の要件
居住用の家屋は以下の要件を満たす家屋をいいます。
(1)家屋の登記簿謄本に記載されている床面積が50㎡以上240㎡以下であること。(区分所有権の場合は、専有部分の床面積で判定します)
(2)中古の家屋を取得する場合は、以下の構造要件を満たすこと。

1.耐火建築物である家屋の場合は、その家屋の取得の日以前25年以内に建築されたものであること。
2.耐火建築物以外の家屋の場合は、その家屋の取得の日以前20年以内に建築されたものであること。
(注)ただし、地震に対する安全性に係る基準に適合するものとして、一定の「耐震基準適合証明書」、「住宅性能評価書の写し」等により証明されるものは建築年数の制限はありません。
(3)床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住用に供されるものであること。
⑦増改築の要件
本特例の対象となる増改築とは、受贈者が日本国内に所有し、かつ、自己の居住の用に供している家屋について行われる増築、改築、大規模修繕その他の工事のうち一定のもので、次の要件を満たすものをいいます。
(1)増改築に要した費用の合計金額が100万円以上であり、居住用部分の工事費が全体の工事費の2分の1以上であること。
(2)増改築後の家屋の登記簿謄本に記載されている床面積が50㎡以上240㎡以下であること。(区分所有権の場合は、専有部分の床面積で判定します)
(3)増改築後の家屋の床面積の2分の1以上に相当する床面積を専ら居住用に供すること。
特例の対象になる増改築に該当することの証明は、増改築等工事証明書などの書類により証明します。
⑧贈与税の期限内申告
本特例の適用を受けるには、贈与税の期限内申告が必要になります。

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